溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
正直(玲奈side)
スウェーデンからアメリカへ、その後メキシコで学会に参加。
久しぶりにアメリカの友人にも会えた。
多感な時期を過ごしたアメリカは慣れ親しんだ国で、過ごしやすい。
英語だと好きに主張できるが、日本語だと性格が少し大人しくなるのかも。

小さい頃から日本を離れ暮らしていたからこそ、日本人のアイデンティティを
意識していたのかもしれない。
亮には私はどう見えていたんだろう。
やっぱりふと気づくと彼のことを思い出す。
思い出にして忘れるつもりが、ある時を境に、メールと電話攻撃。
メールもスルーして、開かないようにしてたけど、
ある時開いてしまった。
毎日一言、二言の言葉。

会いたい。
ごめん。
愛してる。
抱きしめたい。
キスして
アイスバニラとチョコどっち好き?
牛丼食べた

甘い言葉の日もあれば、他愛もないものばかり。
もちろん私から返事はしない。
電話は留守電。メッセージはない。着信履歴だけだ。
ある日メッセージが入ってた。酔っ払ってたのかな?
“玲奈、会いたい…”

弱々しい声に涙が出た。
何度も再生して聞いた。
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