溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
こんなふうに毎日亮さんの言葉を受け取っていたら忘れるものも
忘れられない。
諦めたつもりが未練だらけだ。

正直に素直になりたいのに、頑固な自分が主張して。
メールに返事することも、電話をかけることもしなかった。
幸い、両親は気付いていない様子だったけど、マックスにはバレてしまい、
時々愚痴をこぼす。

マックスは弁護士だけあって聞き上手だ。
相談料高いんだろうなあって馬鹿みたいなことを思ったり。
亮さんとは友達だけど、遠い友人だし私達の結末には何も口出ししなかった。

アメリカでマックスと食事をしたら弁護士友達を連れて来て、新しい恋をどうだと
お勧めする。
拠点はアメリカに戻ってもいいのではと。
俺たち兄弟は世界中どこでも生きていける。狭い世界に、一人の男に縛られるなと。
兄らしいアドバイスだ。

私はどうしたかったんだろう。
前に進むつもりがちゃんと進めてる?


それからメキシコの陽気な人達に元気をもらい約3ヶ月ぶりに日本へ帰国した。
今日はちょうどクリスマスイブだ。

両親と先に帰国しているマックスと実家で過ごす予定。
長男家族はお正月前に日本へやってくるらしい。
クリスマスは家族と過ごすのが当たり前の習慣なので、みんなに
会えるのは楽しみだ。
午前便で日本に到着。
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