溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
婚約(亮side)
やっと…。やっと戻ってきた。
この三カ月、正直一人で泣いた。
どうすれば、玲奈を取り戻せるのか、諦めるしかないのか。
もう、すでに別の男と一緒かもしれない。
狂いそうに自暴自棄になっていたのを兄貴は見兼ねて休ませた。
アルコールに溺れ、誘ってくる女に流されようかとさえ思った。

友人の田中も諦めるて新しい女を探せとキャバクラへ誘っていたが、
オレのあまりの本気度に後から後悔しそうだから、酒も女もやめておけ
と真剣に諭してくれた、ほんと気のいいやつだ。

兄貴も事情を察し、仕事の量を考え、外科の人員を増やしてくれた。
ようやく、脱せたのはマックスの助言だった。
彼女の状況を知らせてくれて、帰国時期を教えてくれたことで前向きに
なれたのだ。
帰国と同時に捕獲する。
そう決めたら、行動は早かった。

自分の両親に玲奈と結婚したい宣言。
玲奈のご両親にも、状況説明しプロポーズ結婚へと進めたいことを宣言。
プロポーズ時に渡す指輪を発注。デザインは一部オレが考えた。

仕事のことも考えた。
玲奈がスウェーデンで働くならと自分も移住して働けそうな所をリサーチ。
次男でほんと良かった。立派な兄貴に感謝。
論文の評価もあって、面談へ持ち込めそうな病院をいくつか確保してある。

ありとあらゆる外堀を固め、一気に捕獲する。と決意。
オレの粘りのある想いをしっかり思い知らせてやる。
我ながら、すごい執着心。
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