溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
聞きたいような聞きたくないようなことを話す玲奈に、

「へー、そうなんだ…。嫌じゃなかったんだ…。」

動揺してるくせに平静を保とうと努めるオレ。

「そういう亮さんはキスした?」
探るように聞いてくる。
見栄を張ったってロクなことにはならない。

「しそうになった。酔っ払って、玲奈のキスおもいだして、田中にキスしそうになって、現実に気づいて、気持ち悪くなったよ!
あー、オレが欲求不満の最中に玲奈は金髪年下男とチュー。」

イライラして髪をかく。
追い討ちをかけるように、玲奈が

「写真あるよ。見る?」

「あー?いらんわ!
いや、待て。しっかり拝んでやる。どいつだ!」
知りたくないけど、知りたい心理。

スマホから写真をセレクトし、ハイと見せてくれたのは天使ような少年だった。


「6歳のオペ患の子。かわいいでしょう。お礼にって。大きくなったらお嫁さんねって、
ほっぺにチュー、かわいくって。」


したり顔の玲奈。

オレを弄んでやがる。

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