溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
子どものピアノのリクエストがすごくって。
アニメだったり、ゲームだったり。そんな曲知らない玲奈は歌ってみてと子どもに
言うと、メロディーを拾って、即興し始めた。
あれは恐らく絶対音感だ。
子供達は楽しくって元気よく声を出したり、普段静かな子も笑ってる。
アニキャラコンサートは終盤に。最後に一曲、彼女がみんなに聞いてと言って弾いた曲は
“星に願いを”のジャズ調でノリノリでの元気バージョン。ナースや保護者達もみんな大拍手。
15分くらいのミニコンサートだった。

終わると彼女は一人の男の子のところへ。目についた折り紙を渡すと受け取って折ろうと
するけど上手く折れない。すぐに様子に気がつく玲奈、イヤ、最初から気づいていたのかも。

「すぐにカートを。処置室へ、恐らく痙攣前。点滴の準備と保護者の方は?」

さっきの笑顔が急にプロの顔、
その子はすぐに白目になり意識が朦朧としている。

それから処置は医長も一緒に行っていた。
大事には至らず、落ち着いた。


彼女の一連の様子を見ておもう。天職だな玲奈は。
きちんと話しをしよう。
自分のことも含めて。
彼女の願いはなにか。



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