溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
そう、最近なんだかグイグイくるんだよね。
前はクールで紳士的な白王子だったのに、最近はイジワルでエッチな黒王子。
みたいな。

「こっちのオレはイヤ?」

「そんなことないけど…。どっちも亮さんだからいいけど…。戸惑う、慣れなくて。」

「ははは、徐々に慣れてくれれば。」

そんな、スキーデート。
夕方にホテルへ戻り、ゆっくりお風呂に入って(黒王子も強引に入ってきた)、
のんびり冷えた体を温めた。
それから、予約していたホテルのレストランでディナー。
一年の終わりが目前で、ふと思い返すと、一年前こんな日がくるなんて思ってなかった
から、すごい変化の日々だ。
離れていた時間を補充するように甘々な彼。

思わず
「信じられないね…。この一年色んなことあったなあ。」

「ほんと、あの時出会って、その後再開して、付き合って、離れて、復活、婚約」

「並べるとすごいね。ありがとう、私を見つけてくれて。
せっかくの旅行なのにこんな話もどうかと思うけど、色々とこれからのこと
一緒に考えて欲しいの。」

「そうだね。オレもこの旅行中、考えたいと思ってた。もちろん一緒に。
旅行中はずっといっしょだろ。だから、一気に纏まらない考えも少しずつ擦り合わせたい。」

「うん。考えてること、お互い話そう。もちろん旅行は楽しみたい。
きれいごとじゃなくちゃんと話したい。」

「ああ、でもベッドインの途中はやめてね、後ね後。」

「もう、何言ってるんだか。ふふふ。」

「まずはこの食事を食べてからだな。」

こんな風に飾らない会話ができることが、今の二人の距離が近い証拠、うれしい。

そう、こういううれしい事を伝えなきゃ…。

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