溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
移住には色々と手続きはあったけど、玲奈が慣れ親しんだところなので
スムーズに進んだ。
仕事はオペが多くなり、救命はほとんどなくなった。

新婚生活も少しずつ慣れてきたころだった。
玲奈も仕事をセーブして、新妻をよくやってくれている。
器用にやるのでありがたかったけど、もう少しオレと家事を分担しようと
言うと、大丈夫と言ってこなし、しばらくして高熱で倒れた。
文化交流会のあとだ。

この日は文化交流会があると、通訳も兼ねて朝から着物に着替えてご機嫌だった。
新しくお母さんと見立てた着物を着て、部屋から出て来た時の玲奈に
朝からドキドキした。
着物姿は何度か見たけど、少し大人っぽい人妻らしいシックなデザインがよく似合っていた。
最近は人妻っぽさというか、色香が増し妖艶さが増しているのだ。
こんな姿をオレのいないところで振舞うのかと思うと、不安になった。

独占欲と嫉妬心が顔を出しそうになるが、仕事なのだから不満を言うわけにもいかず。
褒めて送り出すしかなかった。

その日はなんとなく気になってスマホをチェックしながら、仕事をこなし、
途中彼女からもメールが来ていて一応安心してた。


だが、夜の7時に自宅に帰宅してもまだ帰ってきてなくて、なんとなく嫌な予感がした。

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