溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
「やっぱり、運命だな。俺たち。」

「ふふふ。そう思いたいね。」

「誰かさんはスルリと逃げて行くけどね。オレ頑張ったわ、あの時。」

「それも、運命的な?恋のスパイスだったんじゃないかなー。」

耳が痛いのか、上手く誤魔化そうとしている彼女。

「よく言うよ。あの時は泣いたわ、マジで。
逃げ方が、何万キロって。おかげで絶対捕獲してやるってヤル気も出た。」

「あの時は私も泣いてたよ、寂しくて…。自分から逃げ出したのに。
仕事にどっぷり浸かって、忘れようとしてた。」

「電話もメールもスルーだったしな。オレの心、よく折れずに頑張ったよ。」

「えーと…、うん、ありがとう。あきらめないでくれて…。」

「逃すか、でかい魚。」

「ふふっ、ちゃんとエサも下さいよ〜。」

「もちろん、一生かけて。」

二人で思い出話を語りながら、あの時のぎこちない二人でなく、
愛を確認するキスをした。
海は寒いけど、二人でいると気持ちは暖かい。


その後、あの時行ったレストランへ行き、ほんの数ヶ月前なのに、いろんなことがあって
ここまできたなと改めて感じてる。


間違いなく。運命で、出会いは必然で、これからも一緒に歩む。
いつまでもずっと。
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