溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる

「スウェーデンに恋人がいるの？」
恐る恐る聞いてみる。

首を横に振りながら、
「そんな方はいません。いるなら、久我さんと二人で出かけたりしません。」

「帰国したばかりで余裕がないのも、日本の病院でやっていく不安があるのも当然だと思う。
余裕がないのは、実際のところ俺も同じで恋人になってと言って、仕事仕事で寂しい思いを
させるかもしれない。それでも、君と一緒にいたい。
全く眼中にないなら諦めるしかないけど、少しでも可能性があるならチャンスをちょうだい。
しばらく考えてくれて、返事はそれからでもいいから。

そのかわり、ガンガン攻めさせてもらうけどね。
もちろん君が嫌がることはしないと約束するよ。」

驚きと戸惑いの表情で困っている彼女。

「とりあえず、友達以上恋人未満でヨロシクね。
今日みたいなデートまたしようね。」

俺は折れそうな心を隠して、明るく攻める男を決め込んだ。


再度目線が合うと、声を出して彼女が大笑いした。

「久我さんの意外な一面ですね。ずっとマイルドでこんな押しの強い方だとは
思いませんでした。
分かりました。友達以上恋人未満で。逃げも隠れも？しません。あれ、日本語変だな。」

「あはは。逃げも隠れもか。男前発言だな。
第一段階突破だな。ご期待応えて出来るだけマイルドにいくよ」