溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
ランチをいただき、挨拶してまわる、いわゆる展覧会だ。

清史郎は若いお弟子さんに捕まっている。


私は年配のおばさま達とお話しをすることが多かったり。


おじいちゃん家元がニコニコ顔でやってきた。

「玲奈ちゃん、久しぶりに会えたね。相変わらずカワイイな」

「おじいちゃん、ご無沙汰してます。
今日は久しぶりのお着物で、緊張してます」

「無事に日本帰国出来て良かったね。
近いうちに、帰国お祝いするから本家へ遊びにおいで。
清史郎が喜ぶよ。」

「ありがとうございます。皆さんに会えるの楽しみにしてますね。
あっ、これからお花が大好きな女の子にあうんですよ。
お母さんが入院してて元気出してもらいたくて。」


「楽屋にたくさんあるから、かわいい花束を作っていくといい。」

「そうですね。喜んでもらえるようなもの作ります」

家元だけどいつもニコニコ小さい頃から優しい清史郎のおじいちゃま。
孫のように可愛がってくれる。



無事にお役目を終え、小さな花束をお土産にマリアさんのお見舞いに行くことにした。

今朝、メールをもらっていたので、一週間ぶりにかな。

和装は珍しいだろうから、帰りにそのまま寄ることにした。
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