溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
気になる彼のこと(玲奈side)
久しぶりのオペだった。
急遽、対応になったが横たわる少女を見ていたら必死だった。
無所属の病院で緊急オペ、容体が変わって訴訟にでもなったら大変だ。
改めて、考えなしだったかもしれない。
彼女が無事に回復してくれればいいな。

ERの責任者の遠藤先生からもお礼を言われた。
少し話しすると、私のアメリカの恩師と学会で会ったことがあるとか。


久我さんにはおつかれ!と言われたけど、そのままどこかへ
行ってしまった。
とりあえず、カルテも書いたし帰宅するかな。

更衣室へ行くと、夜間でだれも居なかった。
白衣を脱ぐと借りたピンクナース服が鏡にうつる。
「初めて着たなあ。かわいい、ピンク。
男性ドクターと看護師が付き合うの分かる気がするわ。」

と独り言。
久我さんもやっぱりかわいい子がいいんだろうな。イヤイヤ、久我さん意識し過ぎ。
ドクターの私は冷静さを保つため、かなりクールになり過ぎるし、周りにもあまり気を使えない。
余裕がないのだ。
今日も新人さん、すぐに変わってたもんな。
感じ悪かったかも。

昔から、同僚には処置中は恐ろしくクールだとからかわれた。
普段はボーっとしていることが多いし、要は愛想が無いのだ。
可愛げないな、私。と苦笑した。
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