溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
彼女にからんで名前で呼ばせようと何度もくりかえす。

練習練習って言って、
ようやく恥ずかしそうに


「りょ う さ っん、亮っさん」

「良し!言えるね。いい子いい子。」

頭を撫で撫でするとさらに赤くなってた、かわいいなやっぱり。
処置中のクールな姿とのギャップがたまらない。


「亮さんはどうしてドクターに?ご実家が病院だから?」

「ま、小さい頃から刷り込みはされてたかもね。
俺はわりと勉強より体力に自信あったし、手先が器用だったからね。
実際、患者さんが元気に退院するとうれしいから、役に立ててるなあって思えるしね。
玲奈ちゃんは?」

「亮さんのオペもすごかったです。
ほんと的確だし。キレイだし。

私は助けたい人を自分の手で助けたいんです…」

そう言う彼女は窓の外の一点を見つめていた。
< 57 / 280 >

この作品をシェア

pagetop