溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
私も同級生に告白されて付き合ったけど、グイグイ迫る彼が苦手で、デートの回数が減り、
気づいたら、会えなくて。

街で兄達と一緒にいるときには思い切り逃げていった。
なんだったのかという、彼氏認定していいのかもわからない状況で恋は終わった。
プロムはしょうがないからと兄達がたまたま遊びに来ていた清史郎に頼んで
ナイト役を務めてくれた。
清史郎のルックスは外国人からもウケがいいようで、キャーキャー言われてたっけ。
小さい頃から躾けられて、所作がキレイだからまさに王子のような様。
身長も外国人並みに高いから、目立っていたなあ。
なんだかんだでほんといい奴だわ。


今日は午後から注文していた車が届くので、試運転で食材調達と雑貨めぐりに郊外の
モールに行こうかと思っている。
お届け時間は午後1時。それまでに家事をやって、トントンの散歩をして、
車が届き次第出かけようと思っていた。


すると、亮さんからメールが。
“午後から休みなんだ。今日クルマ届くって言ってたよね?
試運転するなら、同乗したいな。ナビ代わりにどうかな?”

いつも朝からメールがくるのに珍しい時間。
気にかけてもらえてうれしい。クスッと笑いが漏れる。

“試運転も兼ねてモールに買い物へ行こうと思ってました。
同乗、心強いです。よかったらお願いします。”

< 60 / 280 >

この作品をシェア

pagetop