溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
15分程で病院に到着しERで治療が始まった。
先程、応急処置にあたった医師の病院だったようで
彼の姿はもうない。

私は少女へ付き添い父親の到着を待つ。

どうか助かりますように。
力になれないのがもどかしい。
少しでも少女の不安がなくなればと頭を撫でて寄り添って
いたら疲れたのか眠ってしまった。
手術が終わるまでしばらくかかるだろう。

看護師から個室へ通された。
恐らく運転手の加害男性の親族も駆けつけてくるのだろう。
加害者と被害者が顔を合わせないように。。

少女の父親が来たのは1時間後だった。
彼女はマリア36歳の五ヶ月の妊婦で、もうすぐ4歳になるカロリーナちゃん。
ご主人はリカルド氏。大使館で副領事をしているらしく、来日一年半。
臨月まえに出産の為スウェーデンへもうすぐ戻る予定だったとか。

この状況に憔悴してしまうご主人。
秘書役のフェリックス氏が励ます。
気にはなるが他人の私がここにいるのもなと、退出しようとした。

フェリックス氏が私へのお礼と今後の経過を知らせてもらうために
連絡先を交換した。
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