溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
「ありがとう」
ふふふと笑い大丈夫大丈夫とお礼を言う彼女。

日常なのだろう、
「普段はちゃんと断れるから。でも、亮さんがいてくれると安心だね!」

「あぶなっかしいなあ。」
コーヒー二本を片手で掴み、もう片方で玲奈の手を繋ぎクルマへ戻る。

「大丈夫だよ。でも心配しないでね。」

シートに座り横から覗く彼女が愛らしくて、何しても許せそうで。
主導権完全彼女だろ。
ちょっとだけ、いじわるしてみる。

「普段ね〜、こんな可愛いのに無防備だと食べられちゃうよ。
ちゃんと、俺の側に居てね。」

そういいながら、彼女の長い髪を少しだけ掬い、キスをした。
彼女は恥ずかしかって、俯き、コクンとする。
意外とこういうのは照れるんだな。

「無事捕獲したので、出発しますか。」

「捕獲って、ひどっい。ほんと大丈夫です。病院でだってちゃんとお断りを…」

運転してて、ぶっ混んできた彼女。

「ちょっと待て!、運転中。今のはなに? 後で事情聴取ね!」
ほんと、気抜けね~な。

彼女は吹き出していた。
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