溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
医師としての彼女の姿勢は見習うべきことに色々気づかされる。
周りをよく見てるのだ。

それからしばらく川遊びを楽しみ、別荘まで戻った。


管理人さんが用意してくれたロールケーキが冷蔵庫に入っていた。
コーヒーを入れて、庭の前のテーブルでおやつタイム。

蓮から連絡が入り、あの兄妹は無事に治療して帰宅したとのこと。
来てるなら連絡しろと言われたけど、二人きりを邪魔されてたまるか。
父の友人一家で、この辺り一帯の総合病院を経営しているため、
幼少期ここへ遊びに来ると蓮とは良く遊んでいた。
いわゆる幼馴染みだ。
数年前、院長である父親が体調を崩して、実質経営を蓮がやっているらしい。
地域医療にも力を入れているようだ。
腕がいいのに経営の方に力を注がないといけないため、少しもったいない。
差し入れ持って来ると言われたが丁重に断った。
勘付いているのか、今度紹介しろと念を押された。
適当にかわし、お礼を言って電話を切った。あいつはモテるし女好きだ。

「知り合いの病院があってよかったです。
あの怪我なら 後遺症も残らないだろうし。」

「でも、兄の怪我よく気がついたね。」

「昔、うちの兄も同じようなことあったから。
私が怪我するとびっくりして自分の怪我気づかなかったし。
兄妹って分身みたいなものなのかも。」

なるほど、こんなかわいい妹いたら、自分の怪我なんて二の次だろうな。
玲奈の兄達はもしかしてシスコンかもしれない。ハードルが高そうだな。
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