溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
夕方になってバーベキューの準備を始めた。

二人で自然の中で気ままに過ごすこの空間がとても好きだ。
彼女も楽しんでくれているといいけど。

キンキンに冷やしたビールを飲みながら
釣ってきた鮎も串に刺して焼いた。

酔いが少し回って、昼間の事情聴取とやらを始めた。

「普段どれくらい口説かれてるのか、教えてもらうかな?」

ちょっとだけ意地悪に言ってみる。
「口説くなんて大げさですよ。
来たばかりの新人を食事に誘ってくれたり、大体の人は一回で諦めてくれるし。
二人っきりの飲みは避けてるだけで、科の飲み会にはちゃんと出てる。」

「心配だな。酔っ払って連れて行かれないように。
しつこい奴いない?」


「教授の娘だからだよ。ご隠居の娘口説いてもメリットないのにね。
一人、ちょっと強引な人がいるんだけど。業務上近しいから二人食事はやんわり断ってる。
でも、昼食とかは数人で取ることもあって、そういう時は問題ないかな。」


教授とか関係ないんだろう。
彼女自身に興味持って、口説いてるんだろうな。

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