都合の良い店
それを聞いて女は「分かりました。では、交換条件を」と言って僅かに微笑んだ。

私はその気になれば即答できる。前回が前回だけに、今度は失敗しないようにと兼がね考えを纏めてきたからである。

「年齢は同じくらいで人並みの常識を持ってて普通と同等もしくはそれ以上の頭脳がある女の子をお願いします」

女は暫し考えると、

「そうなると、相応な追い金が発生しますが」

と、申し訳なさそうに言った。

「ええ、それは承知してますから気になさらないで」

私がそう言うと、女はあからさまに安堵したような顔に変わり、「では、メニューを用意いたしますので暫くお待ちくださいませ」と言って、息子がいる部屋の横の人一人が通れる程の通路に入っていった。

私もそれに続いて入ろうかとしたが、片手で静止するような格好をされて一人で待つことになった。三分くらい経っただろうか。女は小さめのノートパソコンを抱えて戻ってくると、仕切りと出入口の引き戸の間を通った。女は、今度は「こちらへどうぞ」と言った。

仕切りを通りすぎると、狭いスペースに小さなテーブルと椅子があった。女は「どうぞ」と言ってパソコンをテーブルに置いた。パソコンの画面を既に立ち上げられていた。
< 7 / 8 >

この作品をシェア

pagetop