言葉にならない愛を、君に


わたしは今まで話しかけられても勇也と航ちゃん目当てだった。

そういう子たちとは仲良くなれなくて、わたしは自分から話しかけて友達を作ってきた。

それも、少し地味め、といったら失礼なんだけれど、わりと一人でいるような、おとなしめな子と。


「葵ちゃん、友達になろ?」


だから、嬉しかった。


「うん、わたしも咲茉ちゃんと友達になりたい、です」


「嬉しい!あ、咲茉でいいよ、わたしも葵って呼んでいい?」


わたしは首がとれるんじゃないかってくらい大きく首を動かした。


「あはは、葵って面白い」


なんだろう、この感じ、本当に久々だ。


小学生のころ、まだ男女という区切りが正確になかったころ、わたしは勇也と航ちゃんのおかげもあってか友達が多かった。


それが逆に中学生にもなると、妬みやひがみなのか勇也と航ちゃんといることで友達が離れていった。

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