言葉にならない愛を、君に



「勇也くん、かえろ?」

いつものように部活おわり手をつないできた梨花子の手をほどく。

「ごめん、俺もう梨花子とは付き合えない」

「は?なにいってんの?真鍋さんになにしてもいいの?」

「いいよ、それでも俺が守ってみせるから。それに葵はそんなに弱くないから」

「はは、うける。なにそれ。後悔しても遅いんだよ?」

「いまのほうがよっぽど後悔なんだ。お前と付き合ったこと、葵にあんなこといったこと。それに比べたらこれから起こることなんて大したことじゃない」

「うっざ。勇也くんがそこまで一途だと思わなかったわ。真鍋さんが勇也くんのこと好きかもわかんないのに」

「それでもいい。葵が俺のこと好きじゃなくたっていい。俺がただそばにいたいから」

「はいはい、わかったよ。そこまでいうならいい。別れてあげるわよ。そしてそのことを絶対に後悔させてあげるから」

「上等だよ」


俺はそれだけいうと一目散に家に戻った。


葵に早く会いたくて。

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