言葉にならない愛を、君に
「ピンポーン」
サッカー部より先に陸上部はおわっていたからもう帰ってるはず。
「はーい。あれ?勇也くん?久しぶりね、元気だった?」
「はい、すいません」
「葵なんもいってくれなかったんだけど、勇也くんの家に届けてっていっても嫌だっていうもんだから。心配してたのよ。ごはんとか大丈夫だった?」
「大丈夫です。親父もわりと最近は早く帰ってきたり、俺も家にいないことも多かったんで」
「あら、そうなのね。それで今日は・・葵かしら?」
「あ、はい。葵いますか?」
「たぶん部屋にいるわよ、あがって」
「はい、失礼します」
葵の家にはいるのはいつぶりだろう。
きっと何か月という短い期間だったけど、俺にとっては何年もたってしまった遠い昔のことに思えた。