言葉にならない愛を、君に
――コンコン
「はい?」
「俺だけど、いい?」
「ゆう、や?」
あっちからドアがあいて俺の顔をみた葵は相当びっくりした顔をしていた。
「いま、いい?」
「え、あ、うん」
葵の部屋は相変わらずシンプル。
女の子らしさがあんまり感じない部屋だけど、でもそれがいい。
統一された色は落ち着くから。
「葵、いままでごめん」
「え?」
「あのとき、幼なじみごっこっていったこと」
「う、ん」
「あれ、嘘だから。全部嘘。梨花子とも好きじゃないのに付き合った」
「どう、して?」
「それは・・いえない。でも本当なんだ。
幼なじみごっこなんて思ったこと一度もない。
葵のこと嫌いだなんておもったこと一度もないから」
「勇也・・」
「いまさらって思うかもしれないけど、それでも俺はまた前みたいに航平と葵と3人で一緒にいたい」
「わたしも、だよ。わたしも勇也と航ちゃんといたいよ」
「よかった」
葵に拒絶されたらどうしようかと思った。
もう嫌いっていわれたらどうしようかと。
でもそんな心配は無意味だった。