言葉にならない愛を、君に
勇也side
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「なあ、葵って本当になにも気づいてないのかな?」
部活の休憩中、俺たちは陸上部にいる葵をみながら話す。
「あいつ、鈍感だからな」
俺と航平は昔から葵のことが好きだった。
お互いその気持ちを打ち明けたことはなかったけれど、ずっと一緒にいたからわかる。
「葵にもし彼氏ができたら、俺たち祝福できるんかね」
そしてお互いなんとなく遠慮していた。
葵が全く俺たちの気持ちに気づかず、幼なじみとしてしかみていないのもわかっていたからかもしれない。
でも、怖かった。
どっちかがもしくっついてしまえば、この関係は終わる。
それに、もし断られたとしても。
だったらこのまま3人、ずっと一緒に幼なじみという関係でいられればいいって思っていた。
それはたぶん航平も同じだ。
それに中学のときあんなことがあったから、きっと葵は・・・