言葉にならない愛を、君に
勇也side
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航平と咲茉が付き合うようになってから、葵もすごく嬉しそうにみえた。
「本当に、もう葵のこといいの?」
昼休み、サッカーをやりながら航平に一番聞きたかったことをきいた。
「もう未練ないよ。好きだけどそれは幼なじみとしてってはっきり言われちゃったしな」
「そっか・・」
「だからさ、勇也も自分の気持ちちゃんと伝えろよ」
「わかってる・・わかってるけど・・」
「不安?」
「うん。葵は俺のこと好きじゃないってわかってるから」
「そんなことないと思うけどな」
「え?」
「いや、なんでもない。勝負しようぜ!」
航平はそういうと突然俺の足元にあったボールを奪って走り出した。
「あ、おい!まて」
結局そのあとへとへとになるまで走ったから2人とも汗だく。
教室に戻ると、そんな俺たちをみて葵は苦笑いしていた。