言葉にならない愛を、君に
航平の発言からクリスマスの話になって、もうそんな時期か、と思う。
クリスマスの日でも親父は家に帰ってくるのが遅くて、俺を1人にさせたらかわいそうだとお母さんとお兄ちゃんが死んでしまった年から葵と航平は俺の家にきてくれるようになった。
葵のお母さんが料理を作ってくれてそれを運んで。
なんだか申し訳ないし、葵と航平だって両親と過ごしたいだろうにって思ってた。
「いいの、勇也のほうが心配だから。それにせっかくのクリスマスなのに1人じゃつまんないでしょ?」
「そうそう。それに俺たちだって勇也と一緒にいたいしさ」
「うんうん。ねえ、これから先もずっとこうして3人でお祝いしない?」
「いいねそれ。あ、でも誰かに恋人できたらどうする?」
「そのときは・・・またそのとき考える」
でも葵と航平がこうやっていってくれたから、だから俺はクリスマスというイベントが悲しいものにならなくてすんだ。