言葉にならない愛を、君に
「榊、ちょっといいか」
「え、あ、はい」
突然遠藤に呼ばれて少し驚いた。
「なにかあったんですか?」
「実は芹沢が学校をやめたいといってるらしい」
「え?」
「まだ芹沢とは会えてないんだけどな。なんでも親御さんのほうがそういってるらしくてな」
「そう、ですか」
「悪いんだが、榊も一度芹沢の家にいってみてくれないか?」
「俺がですか??」
「ああ。キャプテンとして、っていうのは建前で・・お前たち付き合ってたんだろ?」
返答に困った。
たしかに、付き合っていた。といったら付き合っていたのかもしれない。
でもあれは半強制、というか葵を守るためだった。