言葉にならない愛を、君に
怒り

葵side


**

12月に入り、テストがもうすぐ始まる。そしてそれが終われば冬休みだ。

あれからまたメールはこなくなって、間違いだったんだと自分に言い聞かせた。

3人に相談しようと何度も口を開きかけて、でもいえなかった。

心配をかけたくなかったから。



それと、少し前から芹沢さんが学校にくるようになった。

その頃はどうして突然こなくなったのか、どうして突然くるようになったのか、噂があちこちで流れたけど、いつの間にか消えた。

この学校は噂が大好物らしい。

その中でも

“榊勇也くんとよりを戻したらしい”

という噂はわたしの心を乱した。


勇也が芹沢さんの家にいったという目撃情報があったからだ。

でもすぐにそれは勘違いということが判明して、みんなはがっかりした感じだったけれど、わたしは心底ほっとした気分だった。

< 151 / 249 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop