言葉にならない愛を、君に


「ああ、もう今年もおわりか」

「はやいね」

昼休み、いつものように4人でお弁当を食べながら過ごす。


「来年受験生とか、考えたくないな」

「うんうん、まだ何も考えてないよ」

「俺も」

進路って決めるのが難しい。

特にやりたいことがあるわけでもないし、目標とか夢とかなにもないし。

それはほかの3人も一緒みたい。


小さいころはよく勇也と航ちゃんと3人で夢とか語ったのにな。


警察官になりたい、消防士になりたい、パイロットになりたい、
ケーキ屋さんになりたい、お花屋さんになりたい、保育士になりたい、とか。


でも、それはやっぱり子供の頃の夢だった。


あの頃はどんなに大きな夢でも叶えられると思っていたのに、いつから現実、をみるようになったんだろう。

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