言葉にならない愛を、君に
勇也side
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「いま、なんか音しなかった?」
「え?そう、聞こえなかった」
俺たちの教室は廊下に一番近い位置にある。
そして俺もかすかに、ドンという音が聞こえたような気がした。
クラスのみんながざわざわ話している中、急激な不安に襲われた俺は教室を飛び出した。
「勇也!?」
葵、どこにいるの?
先生に呼ばれたっていってたから職員室か?
心臓の音が自分でも聞こえるくらいドキドキしていた。
「なあ、これやばくないか?」
「きゅ、救急車・・呼んだ方が・・」
「てか職員室!すぐそこだろ先生呼んでこいよ」
階段下からそんな声慌てた声が聞こえてきて、俺は急いで駆け下りた。
踊り場までいったところで下に数人男子がいて、その真ん中で倒れている女の子がみえた。