言葉にならない愛を、君に



「なんで・・なんでこんなことになってんだよ!?」

「勇也、落ち着けよ。ここ病院だよ」


病院のロビーにいるので、まわりの患者さんたちの視線を感じる。

でも、そんなこと気にしていられなかった。


「なんで逆にお前はそんな落ち着いてられるんだよ?葵が・・葵が・・」

「遠藤からもさっきいわれただろ?命に問題はないって」

「・・そうだけど、だけど」


あれから葵を一番に見つけてくれた男子たちが先生を呼びにいってくれて、そのまま葵は救急車で運ばれていった。

まだ俺たちは授業が残っているのでついていけず、でも授業なんて頭に入るわけもなかった。


放課後、担任である遠藤が付き添いでいってしまったので部活も中止になった。

まあ、もともとあっても俺は行く気がなかったんだけど。

咲茉もあれから放心状態で、今日は部活にも病院に行かずに帰るといったので、俺と航平で病院にいき、ついさっき命に別状はないと遠藤から聞かされたのだ。
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