言葉にならない愛を、君に

「いや、わかんないよ俺にも」

でも、航平には言わなかった。

航平を巻き込みたくないし、これは俺と梨花子の問題だから。


「勇也、また一人で抱え込むなよ」

「大丈夫、大丈夫だから。それより今は葵の目が覚めることを考える」

「まあ、そうだけど・・」



「勇也くん!航平くん!」

俺たちのことを呼ぶ声がしてみると葵のお母さんがちょうど入ってきたところだった。

「おばさん!」

「葵は?葵は大丈夫なの?」

「はい。頭を強く打ったみたいで意識はまだ戻らないんですけど、でも命に別状はないし傷も浅いみたいです」

「はあ・・よかった」

「おばさん、すいませんでした」

俺が頭を下げると航平も一緒に頭を下げた。
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