言葉にならない愛を、君に
過去
葵side
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「ただいま」
「おかえりなさい」
「ねぇ、勇也と航ちゃんと同じクラスだった!それに友達もできた!」
「あら、よかったじゃない」
嬉しそうにいうわたしとは対照的にお母さんはすごく落ち着いた感じ。
「それより、これ、勇也くんの家にもっていってあげて」
「・・わかった」
もう、全然興味示してくれない。
まあそれももう慣れたんだけど。
勇也の家は父子家庭。
中学生のときにお母さんとお兄ちゃんが事故で亡くなってしまった。
それから、お父さんは仕事で遅くなってしまうからとお母さんはなにかと世話をやいている。
お母さんと仲が悪いわけじゃないんだけど、お母さんはいつも冷静で落ち着いていて冷めているようにも思えちゃう。
でも勇也と航ちゃんがいるときは別なんだ。
その2人がいるときはなんだか嬉しそうな顔で、わたしよりも大事なのかなって思うレベル。