言葉にならない愛を、君に
「はじめてみたときから、わたしとは違うって思った。隣にはいつも勇也くんと航平くんがいて、なにも痛みも穢れもしらない、お姫様みたいで。
最初は別にそれだけだった。でも勇也くんと航平くんが真鍋さんのこと好きなことに気づいたの。それから自分の気持ちにも。あ、わたし勇也くんが好きだって。
そうなった途端血が騒いだ。なんとしてでも勇也くんを手に入れたいって。
そっからはそのまんま。勇也くんと一緒にいれたら地獄から抜け出せるんじゃないかって思った」
「梨花子がつらかったのはわかった。わかったけどそれとこれとは別だろ?葵はなにも悪くない。それに葵だって一番好きだった人を事故で亡くしてるんだ。
痛みも、つらさも、知ってる。葵はそういうことも全部乗り越えて、今ああやって笑ってるんだよ」
「でもそれは!・・それは、勇也くんも航平くんもいてくれたからでしょ?家族がいてくれたからでしょ?わたしは違う。誰もいなかった。相談できる人も誰もいない、助けてくれる人なんて誰もいなかった」
「梨花子・・」
「ねえ、お願い、わたしを助けて。わたしを守って。もう一回付き合って」
「助けてあげたいし、守りたいけど、でも付き合うことはできない」
「どうして!?どうしてよ!」
「これから先、梨花子を好きになることはないと思うから。またきっと傷つける。それにもう自分の気持ちに嘘をつきたくないんだ」