言葉にならない愛を、君に
*
「俺、梨花子と付き合うことに決めた」
「・・・は?またなんの冗談だよ」
「ほんと」
「お前ふざけてんのか!?なんでそうなるんだよ、何度同じこと繰り返すんだよ!」
「ごめん、航平。でも決めたんだ。俺はもう葵のそばにはいられない、守れない」
「なんでだよ、なんでお前はそうやっていつも・・・」
航平が悔しそうに何度も手を壁に打ち付けている。
でも梨花子の話を大まかに話すとその手はとまった。
航平にだけは、知っていてほしかった。
きっとこの選択を航平はまたおかしいというけれど、それでも。