言葉にならない愛を、君に
「うん、覚えてるよ」
「それ、梨花子がやったんだよ」
「・・え?」
「さっきも話したけど、まあ同じ理由で。葵のこと嫌いだからって」
「そう、なんだ」
「そのあとにさ、梨花子と勇也が付き合い始めたのは覚えてる?」
「それは、うん」
忘れるわけなんてない。幼なじみごっこはやめようっていわれたあの日は、きっと一生忘れることがないだろう。
「あれも、葵を守るために勇也は梨花子と付き合ったんだよ」
「わたしを、守る、ため?」
「ああ。梨花子が上履きを持ってたのをたまたま俺と勇也が見かけたんだ。そしたら葵への嫌がらせってことを言いだして。それでいったんだ。勇也のことが好きだからだって。だから、もし自分と付き合ってくれたらいじめないし、付き合ってくれなかったらこれからもっといじめるからって」
「そんなっ」