言葉にならない愛を、君に
「なあ航平、葵に俺のことはなした?」
試合がおわったあと、ほかのチームの試合中に航平にきいた。
「俺のことって?」
「俺が梨花子と付き合うことにしたって話」
「したよ」
絶対はぐらかすかと思ったのに、意外とあっさり認めたことに少し拍子抜けする。
「なんでいったんだよ?」
「なんで?勇也を助けられるのは葵しかいないと思ったから」
「・・・俺を助ける?」
「そう」
「梨花子の過去のことも話したの?」
「うん、大まかにだけど」
「今日葵が梨花子に話があるっていったらしい」
「そうなんだ」
「そうなんだって、心配じゃないの?」
「心配?葵が?」
「当たり前だろ!梨花子は葵のこと嫌いなんだぞ?平気で葵を傷つけ・・・」
「いい加減にしろよ」
傷つけるかもしれない。そう言おうとしたところで航平が言葉をかぶせてきた。