言葉にならない愛を、君に
「もうすぐ、できるよね?わたし2人呼んでくるね」
この空気から脱出したくて、わたしはエプロンをとって外にでる。
「ふぅー」
生暖かい風が吹いていて桜の花びらが落ちてくる。
その光景をみているとあの日のことを思い出す。
「葵?」
ぼーっと眺めていたら勇也と航ちゃんが家からでてきた。
「なんかいい匂いしてさ」
「そうそう、それででてきちゃった」
「ごめん、今呼びにいこうとしてたの。今日はハンバーグだよ」
わたしは笑顔をつくって答える。
「おばさんの料理おいしいからな、たのしみだ」
「うん、わたしも手伝ったんだよ」
「え、葵が?大丈夫なの?」
「もう、失礼な」
そんな会話をしながら家にはいる。
わたし、うまく笑えてたかな?