言葉にならない愛を、君に
「葵!」
グラウンドの真ん中にたっている勇也が大きい声でわたしの名前を呼んだ。
久々に聞いた勇也の声。
それだけで泣きそうになる。
「葵、ごめん。今までごめん。傷つけてごめん。たくさん、心配かけてごめん。
俺、葵のこと好きだ。大好き。今までも、これからもずっと」
「っ」
全然、意味がわからない。
ただ、涙がとめどなく溢れてくる。
「俺さ、ずっと間違ってた。何が一番大切かなんてとっくに答えがでてたのに。遠回りばっかりして、一番大切な人を傷つけることしかできなくて。結局逃げてただけなんだよな、俺」
いつの間にか近づいてきた勇也はそういうなりわたしを抱きしめた。