言葉にならない愛を、君に
「実は・・・さっき誰かに背中を押されて・・ケガは大したことないんだけど、怖くなっちゃって・・」
「え?誰かってわかんなかったの?」
「うん・・すぐ後ろみたんだけど全然・・ただ女の子、だったと思う」
「そっか。なんともいえないけど、とりあえず保健室でみてもらって。俺から先生にいっとくから」
「うん、ごめんね」
梨花子は立ち上がると保健室のほうに歩いて行った。
俺は心配になりながらも、部活がはじまる時間になったのでグラウンドに向かう。
しばらくして戻ってきた梨花子はまだいつもの調子はなかった。
だから俺はあれが演技だったなんて、全く気付いていなかった。