言葉にならない愛を、君に
*
「梨花子、一緒に帰ろう」
「え?」
「まだよくわかんないし、ぶつかっちゃっただけかもしれないけど、万が一ってことあるから」
女の子だし、もう18時でだいぶ薄暗い。
「でも・・」
「いいから、ね?」
「ありがとう、勇也くん」
「足は、大丈夫そう?」
「うん」
とりあえず引きずってはないし、大きなケガはしていないみたいなのでよかった。
「勇也くんって、優しいね」
「俺は全然だよ」
「勇也くんってさ・・・真鍋さんと幼なじみ、なんだよね?」
「葵?そうだよ」
「好きとか、そういう感情ないの?」
「・・・好きだよ、ずっと」
なぜだろう、いつもはこうして誰かに打ち明けることなんてなかったのに。
考えるより先に口からその言葉がでた。