言葉にならない愛を、君に


「あ、おい?」

「勇也くんもそうみえる?」


後姿だったけれど、葵にそっくりだった。

背格好も髪型も、それに葵がお気に入りでつけている髪留めも一緒。


「本当にこの写真そのときに撮ったの?」

「うん、、真鍋さんそんなことするようにみえないもんね・・」


梨花子を疑うのも申し訳ないけれど、でも葵がそんなことするとは思えない。


「わたしの勘違い、かもしれないけど・・でもどうなんだろう・・・」

「どうなんだろうって?」

「ほら、わたしってマネージャーやってて結構勇也くんと航平くんと話してるじゃない?それで真鍋さんあんまよく思ってないっていうのを聞いて・・」

「誰から?」

「真鍋さんと1年生のときに仲良かった子から・・」

なんだそれ。

葵がそんなこというとは思えないし、そんな背中を押すとかせこいことをするとは思えない。

でもこの写真が本当なら・・・


「勇也くんからこっそり聞いてみてくれないかな?」

「俺が?」

「うん、、わたしからは聞けないし・・もしわたしが悪いんだったら謝るから」

「わかった。聞いてみる」

「ありがとう」


いまは梨花子の心の問題のほうが大切だと思った。

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