言葉にならない愛を、君に
*
「葵、ちょっといい?」
昼休み、葵をよんで屋上にいった。
「どうしたの?」
「あ、のさ、こんなこと聞きたくないんだけど、梨花子のことどう思ってる?」
「梨花子って・・芹沢さんのこと?」
「うん」
「どうって・・・なんとも思ってないよ?特に仲良くもないし・・」
「今日さ、俺別でいったじゃん?実は最近梨花子が誰かから嫌がらせを受けてるみたいで・・」
「え?そうなの??」
「だから、それで収まるまで俺が登下校一緒にしようって思ったんだけど」
「それは大変だね。全然気にしなくていいからね」
「・・・」
「勇也?」
「それがさ、梨花子がそのとき写真を撮ったらしいんだけど、それが葵に似てて・・」
「・・え?」
「ごめん、葵を疑ってるわけじゃないんだ、ただ一応確認しようって・・」
「そっか、大丈夫。でもわたしそんなことやってないよ」
葵はとても悲しそうな目をしていた。
疑ってないっていいつつ、こんなこと言われたら誰だって自分が疑われてるって思うよな。
「やってないし、犯人に心あたりもないし、勇也、ちゃんと守ってあげてね」
葵はそういうと屋上からでていった。
葵との間に大きな壁ができた気がした。