言葉にならない愛を、君に



「葵、ちょっといい?」


昼休み、葵をよんで屋上にいった。


「どうしたの?」

「あ、のさ、こんなこと聞きたくないんだけど、梨花子のことどう思ってる?」

「梨花子って・・芹沢さんのこと?」

「うん」

「どうって・・・なんとも思ってないよ?特に仲良くもないし・・」

「今日さ、俺別でいったじゃん?実は最近梨花子が誰かから嫌がらせを受けてるみたいで・・」

「え?そうなの??」

「だから、それで収まるまで俺が登下校一緒にしようって思ったんだけど」

「それは大変だね。全然気にしなくていいからね」

「・・・」

「勇也?」

「それがさ、梨花子がそのとき写真を撮ったらしいんだけど、それが葵に似てて・・」

「・・え?」

「ごめん、葵を疑ってるわけじゃないんだ、ただ一応確認しようって・・」

「そっか、大丈夫。でもわたしそんなことやってないよ」


葵はとても悲しそうな目をしていた。

疑ってないっていいつつ、こんなこと言われたら誰だって自分が疑われてるって思うよな。


「やってないし、犯人に心あたりもないし、勇也、ちゃんと守ってあげてね」


葵はそういうと屋上からでていった。

葵との間に大きな壁ができた気がした。
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