言葉にならない愛を、君に


今までそうやって考えないようにしてた。

勇也と航ちゃんは幼なじみでそれ以上はないって。

それなのに、いつの間にか勇也のことが好きになっていたみたいだ。


きっと、それは気づいていなかっただけで、あの頃から。


――「俺はずっと葵のそばにいる。ずっと一緒にいる。絶対葵から離れないから」


雅也くんが亡くなって、そのときにずっとそばにいてくれたときから。



「でも、わたし・・いまはわかんないよ・・」

「葵?」

「明日から、うまく勇也と話せるかわかんない、勇也だってきっとそう思ってる」

「大丈夫だよ、だって俺たちはいままでもずっと一緒だったでしょ?」

「そう、だよね・・」


好きと気づいてしまったら、急に怖くなった。


あのときのように、いつか勇也も私の前から姿を消してしまうんじゃないかって。


そんな不安な気持ちを抱えたまま、わたしは次の日を迎えた。

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