言葉にならない愛を、君に
*
次の日も、その次の日も夏休みまで結局わたしは勇也とちゃんと話せなかった。
芹沢さんは違うクラスだったけど、ことあるごとに勇也のもとにきていた。
いつしか、2人は付き合ったという噂まで流れはじめていた。
「葵、大丈夫?」
「大丈夫、じゃない」
咲茉にもわたしの気持ちを打ち明けた。
咲茉もはじめからそうなんじゃないかって思ってたといった。
きっと両想いだよって。
でも、いまのわたしには勇也のことがよくわからなくて、なんだか遠い存在になった気がした。
家が隣同士なのに、家族同然だったのに、会おうと思えば会えるのに、それがわたしにはできなかった。