言葉にならない愛を、君に

部活中も勇也と芹沢さんが仲良さそうに話しているのをみてつらかった。


笑い声が聞こえてくるたび、本当にあの2人は付き合ってるんじゃないかって錯覚した。


「葵先輩、あの2人って付き合ったんですか？」

「わたしにも、わかんないんだ、ごめんね」


後輩の子も気を遣ってわたしに話しかけてくれるのに、わたしはそんな言葉しか返せなかった。

こんなんじゃだめだ。

わたしは部活が終わったあとサッカー部が終わるまでまった。


「芹沢さん、ちょっとだけ勇也借りてもいいかな？」


そして2人が一緒にでてきたのを見計らって声をかける。

芹沢さんはわたしが嫌がらせをしている犯人だと今だにおもっているのかすこし怯えたような顔をした。


「葵、ごめん。家ではなそ？送ったら葵の家行くから」

「・・わかった」


勇也は芹沢さんを選んだ。


ほんの一瞬芹沢さんと目が合ったとき、嘲笑うかのような表情をした。

でもすぐに怯えた顔に戻って勇也と歩いていってしまった。