言葉にならない愛を、君に
「まあしかたないね」
「うん、夏休みとか練習ない日は葵とも遊ぶって約束したからさ」
「ならよかったよ」
「航平もありがとな」
やっぱり航平は一番心を許せる人だ。
小さいころから一緒だからなんでも知ってるし、隠し事だってない。
なにかあったときは頼れる存在でもある。
「キャプテン、先生が呼んでます」
「おう、ありがとう。あれ?てか光姫髪切った?」
「え?あ、切りましたよ、似合いますー?」
「うん、似合うよ」
「ありがとうございます!」
なんだかすこし動揺しているように見えたけれど特に気にせず先生のところに向かった。
なんでこのとき感じた違和感の意味にもっと早くに気づけなかったのか。
このときに気づけていたら、葵のことを傷つけることがなかったのに。