言葉にならない愛を、君に
夏休み

葵side


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「暑いねー」

「うん、暑い」

夏休みに入っての練習は特につらい。

炎天下の中何週も走るこのきつさ。

走ることが好きで陸上部に入ったものの、こんな暑さではいまいち記録がのびない。


「葵ー、これ差し入れ」

「ありがとうございます!」


今日は卒業した先輩方がきてくれていて、差し入れにアイスをくれた。


「葵、最近どうなの?」

「どうって?」

「ほら、あの幼なじみくんたちとさ」

そういって先輩がみた先にはサッカーをしている勇也と航ちゃん。


「どうって・・特に何もなく今まで通りですよ」

「そっかー、わたしてきにはまだどっちともくっついてないってびっくりなんだけど」

「いやいや」

「だって葵たちほんと入学してからもずーっと3人でいたしさ、あの噂が本当じゃないかって何度も思ったし」

「あれですか・・」

思わず苦笑いする。

わたしが2人とできていて、二股をしているってやつだ。
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