言葉にならない愛を、君に


学校につくとすでにクラス表のまわりにはたくさんの人がいた。


「俺みてくるわ」


勇也が走り出したのをみてわたしと航ちゃんはそれを待つ。

勇也は身長が高い上に目がいいので、遠くからでも名前を見つけやすくて中学のころからクラス表をみてくるのはお決まりになっていた。


「同じクラス、なれるといいね」


「うん」


待ってる間航ちゃんと話す。

航ちゃんはなんだか本当に女の子、みたいだ。

それをいうと航ちゃんは怒るからあんまり言わないけれど、でもそれでもわたしは航ちゃんのかっこいいところもたくさん知ってる。

「3人一緒だった!!!」

「うそ!!やった!」

「楽しい1年になりそう!」

勇也がものすごく大きな声をだしながらこっちに向かってきたのでまわりが驚いた顔をしていたけれど、わたしたち2人も同じように返す。


楽しい1年になりそう。

そうなるはずだった。



それなのに、こんなに苦しい1年になるなんて、このときは思いもしなかった。
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