言葉にならない愛を、君に
「おい、勇也そんなのに乗る必要ないからな」
航平もそういって止めてくれる。
でも俺は・・
「わかった」
そう口にした。
「おい、勇也!」
「しかたないんだ、これしか葵を守る方法が俺には見つからない。航平、葵を頼む」
「勇也・・」
「交渉成立ってわけね。じゃあこの写真は消す。もういじめもしない。これは約束するわ」
「わかった。航平、悪いけどこれ葵に返してやって。航平が見つけたことにして」
そういって俺は葵の上履きを航平に託す。
「本当にそれでいいのかよ。葵のこと好きなんじゃないのかよ」
「・・好きだから、だよ。守りたいんだ」
「葵の気持ちはどうなるんだよ!?」
「葵は、俺のことなんとも思ってないし、だからいいんだ」
「わかったよ、もう勇也なんて知らない」
航平が校舎のほうに戻っていく。
「いっとくけど、俺は梨花子のこと好きになれないからな」
「いいわよ、これから好きになってくれれば。今日からカップルなんだし」
そういって俺の腕に絡んでくる。
ぞわっと鳥肌がたっていますぐにでも離したい。
でも葵のために、俺は梨花子と付き合うことに決めた。