言葉にならない愛を、君に
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結局授業をさぼってしまい、次の休み時間でわたしと航ちゃんは教室に戻った。
「葵、大丈夫??」
教室に戻って真っ先に話しかけてきてくれたのは咲茉だった。
「うん、大丈夫・・」
咲茉の心配そうな顔をみてどうしようもないくらいの罪悪感に襲われた。
「咲茉、わたしね・・」
「咲茉、俺と葵付き合うことになったんだ!」
わたしが言う前に航ちゃんがクラスのみんなに聞こえるような大きな声でそういった。
「航ちゃん!」
そんな大きな声でいったら、勇也にも・・
そう思って勇也のほうをみるとこっちをみて少し驚いたような、それでいて悲しそうな顔をしている姿がうつった。
なんとなく、勇也には知られたくなかった。
もう、芹沢さんと付き合ってて、わたしにはチャンスがないってわかっていても、それでも。